熊大から世界へ!-誰もが過ごしやすい社会に-

法学部グローバルリーダーコース出身(2023年卒業)

下川 嵩暉さん

教育・キャリア
インタビュー担当

熊本大学には様々な分野で活躍している卒業生がたくさんいます。今回はその中の一人、2023年に熊本大学法学部を卒業し現在アメリカのマサチューセッツ大学ボストン校修士課程に所属する下川嵩暉さんにお話を伺いました。

熊本大学法学部での日々

健児くん(以下、◆):まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

下川さん:下川嵩暉(たかき)です。熊本大学法学部を2023年に卒業しました。在学中は政治学のゼミに所属しており、政治家の選挙活動の取材をしたほか、卒業論文では熊本にいる外国にルーツをもつ児童・生徒の実態を研究しました。そのほかにも、在学中はNPO法人で外国にルーツを持つ子どもの教育支援のボランティアや、外国人留学生の日本語支援などをしていました。現在は、マサチューセッツ大学ボストン校の修士課程で勉強しています。

◆:外国にルーツをもつ児童・生徒の研究に興味をもったきっかけは何ですか?

下川さん:私自身が生まれは台湾でその後日本に来たこともあり、外国にルーツをもつ子どもたちがおかれている状況に共感する部分が多かったことがきっかけです。外国人などのマイノリティの人達のために何かできる人になりたいと思い、熊本大学法学部に進学し、研究やボランティアを行いました。

 

ボストンコモンの桜

海外の大学院への進学:あこがれを現実のものに

◆:現在もそのような研究をしているのですか?

下川さん:アメリカの大学院の場合、日本とは違って研究を始めるのは2年生からで、私は現在1年生ですので、本格的な研究はまだ行っていません。今年の9月に2年生になりますので、今後はマイノリティの教育政策に関する研究ができればと考えています。

ちなみに、現在は心理学やジェンダー学といった幅広い分野の講義を受講しています。その中でもジェンダー学は特に面白く、男・女というジェンダーよりはそこの違いによって生まれる格差とは何かといったより深い部分まで学ぶことができ、非常に興味深かったです。

◆:マサチューセッツ大学ボストン校に興味を持ったきっかけや進学までのスケジュールを教えてください。

下川さん:まず、海外の大学院進学に興味をもったのは、大学2~3年生頃、大学の掲示板で海外の大学院に関するポスターを見て憧れたのがきっかけです。どの大学院に行きたいかをハッキリ決めていた訳ではなく、ぼんやり海外の大学院に行きたいと思っていた感じです。その後、大学院に行くためには英語の資格習得が必要と知り、TOEFL iBT取得に向け勉強しました。

私の場合、大学4年生の頃にゼミの先生の紹介もあって、出願前にボストン校の先生2人とお話する機会があり、そこで大学のことをより知ることができたので出願を決めました。通常は大学3年生頃までに資格取得や推薦状の手配などをして、大学4年生の時に出願、面接(場合によっては試験)を受け、同年2月~5月に合否が分かることが多いのではないかと感じています。

ボストン初日

◆:資格取得について、困難に感じたことやコツがあれば教えてください。

下川さん:TOEFL iBTの場合、試験はパソコンで行うのですが、操作を全て自分で行わないといけないことに加え、面接官が目の前にいなかったり、タイピングで文章を入力したりしないといけないため、スピード感が掴みづらくそこが大変でした。そのような試験形式に慣れておくことが大切だと思います。

アメリカでの大学院生活:外国人として生活する大変さ

◆:大まかな一日のスケジュールを教えてください。

下川さん:通常7時に起床し、この時間日本は夜ですので家族や日本の友達と連絡を取ります。9時から12時頃は前日の授業の課題や予習・復習を行います。その後、12時から16時頃まで研究室で勉強し、17時30分~20時30分まで大学院の講義を受講します。21時以降自由な時間を過ごし、24時までに就寝するといった生活を送っています。

◆:アメリカでの生活で大変なことはなんですか?

下川さん:市役所や税務署などでの手続きが大変です。熊本大学のように留学生の生活をサポートしてくれるチューター制度はありませんし、市役所に行っても中々教えてもらえないことも多かったので、外国人として生活する大変さを感じました。

大学の友人達とお出かけ

卒業後の進路:誰もが過ごしやすい社会に向けて

◆:卒業後はどのようなキャリアを想像しているのですか?

下川さん:まだハッキリとは決めていませんが、研究職や民間のシンクタンクなど、日本での就職を考えています。熊本大学や現在の大学院での研究を活かして、誰もが過ごしやすい社会を作るために貢献したいと思います。

◆:今後海外の大学院への進学を考えている学生にアドバイスをお願いします!

下川さん:大学院の受験は難しいけれども(その後のアメリカ生活に比べると)全然難しくなくて(笑)奨学金の獲得や渡航後の生活、大学院の授業についていくことの方が難しかったりしますが、一つ一つ慣れていったり、焦らず対処していくことで何とかなると思います!アメリカから応援しています!

1番仲の良い友人とのドラゴンフェスティバルに参加した時の様子