これまで、文学部4学科の一つだった「コミュニケーション情報学科」が、より進化して共創学環へ組み込まれることとなり、
残りの3学科が一つになった人文学科の1学科制となって、文学部が新たなスタートを切りました。
1学科制の特色について、伊藤正彦文学部長に話を伺いました。
2026年度、熊本大学では新たに共創学環が創設されました。その中のグローバルイノベーションコースが、これまで文学部の学科のひとつだったコミュニケーション情報学科の教育実績を踏まえて発展させた教育内容となっています。それに合わせ、残りの3学科を1つに統一し、「人文科学科」1学科制といたしました。1学科制では、最初の1年間は教養科目や基礎的な知識を学び、また、文章作成演習も履修。2年次より、希望に応じて9つに分かれた専門コースに所属します。
熊本大学文学部では長きにわたり、文学部の中に細分化された学科があるという仕組みを継続してまいりました。その理由は、それぞれの学科に対し、毎年確実に志願者がいたこと、そして、志願して入学してきた学生たちに、しっかりとした教育を行ってきた実績があったからです。しかし、大学出願時点から細分化された学科のひとつに決めることは高校生にとってハードルが高く、かつ、学科を選択して入学したものの、入ってみたらやりたかったことと違ったというミスマッチも、少なからずありました。1学科制であれば、1年生の間に概論科目などを受講したうえで、2年生になる時にやりたいことを選ぶことが可能。ある程度やりたいことが決まっている受験生もいると思いますが、大学に入って授業を受けてから新しく学びたいことが見つかる、そんな体験もしてほしいと考えています。
文学部では中学校と高校の教員免許が取得できます。4学科制だったときは学科による制限があり、たとえば歴史学科なら地歴の教員と決まってしまい、もし国語の教員免許を取りたいと思っても取れませんでした。しかし、1学科制なら、もちろん取得単位数は膨大になりますが、希望すれば複数の免許を取得することが可能になります。
近年は、文学部出身者の多くが専門的な職種に就いています。資格が必要な例で言えば学芸員。実は今、文化財行政において学芸員は引く手あまたなんです。特に考古学に強いのが熊本大学文学部。学部生のうちから発掘調査をやり、調査報告書を書くという訓練をしますので、実は西日本では、熊本大学の考古学出身者を採用すれば即戦力になるという評価もいただいています。
また、マスコミ関係など、文章を書く専門職に就く学生も増えています。文学部では、調べ物をし、論理的に考える力を養い、文章を書く力を培います。情報分析力や課題解決力、人に伝える力は一般企業でも必要とされている能力。学生たちには、熊本大学文学部で身につけた力を発揮して、社会で活躍できる人材になってほしいと思っています。
何よりも、学部生が主役の学部だということです。研究室ではどうしても大学院生が主役になりがちですが、熊本大学文学部にはそれぞれの専門分野に学生研究室があり、そこでは学部生が中心になって勉強や調査を進めています。それぞれの研究室では、新しく入ってきた学生を歓迎する会もあれば、期末試験終了時や卒論を仕上げた時のお疲れ様会もあります。そして卒業時には、研究室の後輩たちが心を込めて先輩たちを送り出してくれます。そういった行事も含め、学部生が自律的に研究室を運営。私はこの「学部生が主役」であることが、熊本大学文学部の一番の良さだと自負しています。
|