特集Ⅱ 未来への道しるべ~熊大生のキャリア支援+卒業生ジャーナル拡大版

熊大生のキャリア支援~就職支援課に聞きました!

企業が学生に求めるものは 完成形ではなく「伸びしろ」

社会に出る前の最終段階である大学生活をどう送るべきか。
熊大生のキャリア支援の強い味方、就職支援課の日和田伸一さんに話を伺いました。

学生支援部 就職支援課
専門職員
日和田 伸一さん

売り手市場でもたやすくはない就職活動

 若い世代の人口は減り続け、新卒採用の現場では高い求人倍率が続いています。しかし「だからといって、売り手市場にあぐらをかくのは禁物です」と話すのが、熊本大学就職支援課の専門職員、日和田伸一さんです。人気企業への就職希望者はいつの時代も多く、それだけ狭き門なのは当たり前。「就職先がどんな企業でもいいなら話は別ですが、そうではないですよね。ということはやはり、就職活動はたやすいものではないということです」

 「就職活動には納得感が必要」と日和田さん。その納得感についてはこう語ります。「もともと就職活動とは、自己理解と外部環境理解という2つの要素をベースにして、一定期間、いろいろな企業と向き合うもの。その中で学生はその企業に自分が合うか、企業はその学生が自社に適しているか、という判断をします。学生はトライ&エラーを繰り返しつつ、最終的に自分で着地点にたどり着く。このプロセスを踏むことが、納得感を生み出します」。その納得感をもって就職できれば、入社後、例えば希望の部署とは違うところに配属されるような理想とのギャップを突き付けられても、簡単に辞めたりせず、そのギャップを自分で埋めることができます。

多様な人との関係性を構築する基礎力を養おう

 「自己理解とは、何のために自分は働くのか、自分の基軸になることを考えること。そしてどんな業界のどんな企業でどんな仕事をすればそれが実現するのかを、今度は外の世界をリサーチして確認を取っていく。それが外部環境理解の作業です」。何に価値を置くかは自分でしか決められません。しかし「熊大生には、世の中にプラスの影響力を持てる存在として卒業していってほしい。大学で学んだことを社会貢献につなげてほしいと個人的には思っています」

 熊本大学のような総合大学には様々な学部があり、学部間の切磋琢磨や、個性豊かな先生や学生たちとの出会いや学びがあります。そこで育まれる主体性と多様性こそ、実社会から評価される大学生のポテンシャルだと日和田さん。「企業は学生に完成形を求めていません。ほしいのは伸びしろ。専門知識や資格を必要とする職業は世の中のすべての仕事のなかのごく一部です。現代の企業は、社会変化に合わせて事業を変革することが必須なんです。だからむしろ、いま求められているのは変化に対応ができる人材。臨機応変に仕事を習得しなおせる基礎力を持っている人
です」

 世の中は多様な人と人との関係性で成り立っています。その関係性を構築できる力こそが仕事力。「その基礎を大学生活の中で育んでほしい。1年生のうちはたくさん友だちをつくり、たくさん失敗してください。そうやって主体性と多様性を身につけてから就職支援課の様々なプログラムに参加してくれれば十分に間に合います。就職に向けて、適切な時期に適切な準備をすることを支援するのが、私たちの役割です」と力強く語ってくれました。

熊本大学の就職支援

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