政治、経済、アート、思想など、人々のあらゆる活動・文化の歴史的変遷を追究し、
「人間っていったい何なのか?」を探究する文化史学研究室を訪ねました。
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新井 英永 教授 |
鈴木 啓孝 准教授 |
ヨーロッパでは、イタリアの未来派、ドイツの表現主義、フランスのシュールレアリスムなどさまざまなモダニズムの運動がありました。こうした動きを踏まえつつ、D. H.ロレンスを中心に20世紀前半のイギリスモダニズム文化・思想を研究しています。 | 明治時代に印刷された新聞や雑誌に思想家が発表した言論を中心に、当時人気を博した版画や写真などの視覚メディアと、方言・標準語・学校唱歌などの聴覚メディアも素材としながら、近代日本ナショナリズムの研究をしています。 |
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研究室に入る2年時に、授業の参考文献として活用できる |
ヨーロッパのモダニズム文化・思想を研究する新井教授と、日本ナショナリズムを研究する鈴木准教授の下で、さまざまな国や地域にまたがる文化と、国や地域内部のサブカルチャーについて研究します。学生は、明治時代の日本におけるビールの受容、19世紀フランスを生きた男装女性たち、植民地朝鮮と甲子園野球など多様なテーマで、文字資料、画像、映像、音声などを活用して考察します。
2・3年生が合同で1冊の論文集「課題研究報告集」を仕上げる。2年生にとって、約1万2000字もの論文作成は大変だが、上級生から指導を受け、論文作成の技術を高める機会にもなっている
1984年からの卒業論文を年度ごとにアーカイブしてあり、学生たちは自由に参照できる。先輩たちの研究を読み解くことで、研究テーマの歴史や変遷を知り、考察を深められる貴重な資料
書庫にある蔵書。「郵便報知新聞」など新聞資料や、雑誌「青鞜」と平塚らいてうの個人全集といった大型本が並ぶ。学生の研究に必要な書籍の主なものは研究室で購入。卒業後に新たな蔵書へと加わる
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大学院社会文化科学教育部 |
フランスの歴史学者アラン・コルバンの思想を軸に娼婦について研究し、現代日本における売春や女性の貧困問題への考えを深めています。私は2017年に本学を卒業後、社会人生活を経て、再び本研究室で学んでいます。研究室には、社会人経験者や留学生など、さまざまな経歴の人がいて、各自の研究テーマも多様なので、他学生の研究に触れることができ、自分が想像していなかった世界への視野が開けます。将来は働く女性を社会的にサポートする仕事がしたいですね。
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文学部歴史学科 |
私が本研究室を選んだ理由は、2年生から興味のあるテーマで研究を始めることができるからです。私は茶道をしていますが「なぜ流派によって、男女のお点前が異なるのか」などの疑問が生まれたことをきっかけに、近代における茶道の実態を解明する研究をしています。同級生の研究テーマも、絵画、旅行、ファッション、エリート意識、オカルトなどさまざま。議論していると、関係がないと思っていた物事のつながりが見えてくることがあり、面白いと感じます。
“無限の過去”から“記録されるべき過去”を取捨選択する歴史家が、豊かな経験と深い自己省察を重ねることで、文化史はよりよく成立します。「国立国会図書館デジタルコレクション」など、さまざまな資料を活用し、「歴史家としての主観を構築する」ことを目指します。
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