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大学院生命科学研究部附属 ワクチン開発研究センター |
熊本はもともと感染症やワクチン研究に縁が深く、世界保健機関(WHO)で活躍した天然痘撲滅の立役者、蟻田功博士は熊本大学医学部出身です。ご存じのように、天然痘(痘そう)は、その高い致死率のために人類に甚大な被害を与えました。WHOの根絶計画により、地球上から天然痘の流行を根絶することはできましたが、研究目的で保管されている痘そうウイルスの存在は、生物兵器としての使用の可能性が危惧されてきました。
さらに昨年、サル痘が海外でアウトブレイク(集団発生)。新型コロナウイルスのパンデミック等の経験を踏まえ、もう一度、天然痘やサル痘のワクチン研究を進めようと医療薬品企業・KMバイオロジクス株式会社(KMB)とともに、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の先進的研究開発戦略センター(SCARDA)が公募した「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」に採択され、2023年3月に共同研究として「痘そうワクチンの製法近代化に関する研究」が始まりました。
「プロジェクトの目的は、痘そう及びサル痘の予防を効能・効果とするワクチンの製造を、より近代的で安定性の高いものにすること」と話すのは、三隅将吾教授。具体的には、ウサギの腎臓細胞を用いて製造している現在の方法から、「株化細胞」による製法を確立することで、工程の簡素化を図るという研究です。事業には薬学部の腎臓の専門家も参画。KMBは、CMC開発、非臨床試験、臨床試験等の開発を進めていきます。動物愛護、そしてリスクに備えた新しいワクチンの製造法確立が期待されています。
※CMC開発
医薬品を製造する際の最適な生産工程、生産プロセスや品質評価のための試験法などを開発すること。
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