積極的にコラボレーションしてユニークに動く
大学院先端科学研究部 生物環境農学国際研究センター長
澤進一郎 教授
主に動物、特に線虫と植物の相互作用について研究しています。線虫は1億種類以上、世界の動物の1/3以上を占めるとも言われています。私は、その中でもネコブセンチュウに注目しています。線虫による農業被害は年間数十兆円にも上ると言われていて、これを燻蒸剤などによらず、駆除することで、よりサステナブルな農業が実現できないかと考えています。
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植物に寄生して農業被害を及ぼすネコブセンチュウ。 |
先ほどのネコブセンチュウと農業被害のこともそうですが、私が他の人と圧倒的に違うと感じているのは、全然違う分野の人と共同研究することが好きだということです。建築や考古学、薬学専門の人たちとコラボレーションすると、全く新しい視点からの意見や提案をもたらしてくれます。私のような基礎研究を行う生物学者は研究の応用や実用化までなかなか手が回らないという人もいるのですが、私は楽しんでいます(笑)
例えば建築とのコラボは、5年間で億単位の研究費が配分される大型プロジェクトだったのですが、このコラボで、植物の茎の丈夫さには維管束組織が重要で、その構造が建築に生かせるのではないかなどの研究成果が生まれました。今、建築学会には植物のセッションができているんですよ!
こんなにコラボを楽しめるのは、私が好きな料理が関係しているかもしれません。この調味料を試してみようとか、この食材たちを合わせたら美味しいんじゃないかと考えて手を動かすのが楽しくて、異分野コラボに通じるものがあると感じています。研究室にも調理器具を置いていて、よく昼食を作って食べているんですよ(笑)
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「料理は、研究を行う感覚に近い」という澤教授。 シェフとして食材や調味料の配合、振り付けなどを考え探究する、奥深くクリエイティブな作業。 |
今でこそ植物学の分野で少し注目してもらっていますが、昔からそんなに学校の成績は良くありませんでした。めったに落ちない大学院の試験に2回も落ちたんです(笑)。それでも受け続けたのは、父が研究者だったのも大きいかもしれません。父は蘭の分類の研究をしていました。
子どもの頃は、よく父のラボに行って、そこにいる学生たちに遊んでもらいましたし、自由に好きなことを探究できる様子に魅力を感じていました。今、私はその父の研究を引き継いでいます。
そんな子どもの頃の“興味の種”が育ち、今、植物と線虫に関する研究や異分野コラボなど、さまざまな私なりの“花”に発展しています。
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父の蘭研究を引き継いで研究中。 |