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    110mハードルで日本インカレに出場!

「なんとなく」を言葉に変えて挑んだ全国の舞台。
110mハードルで日本インカレに出場!

熊本大学教育学部2年

西村 侑哉さん

学生・課外活動
インタビュー担当

インタビュー担当の健児くんです。
熊本大学教育学部保健体育科2年の西村侑哉さんは、熊本大学体育会陸上部の男子110mハードルの選手。2026年9月、全国の大学生が競う日本インカレに出場し、準決勝進出という結果を残しました。自分の走りを考え、言葉にしながら全国の舞台までたどり着いた西村さんに、競技との付き合い方を聞きました。

「今年ダメだったらやめよう」
そこからつかんだ全国の舞台


熊本大学教育学部2年 西村 侑哉さん

全日本インカレ出場、お疲れ様でした!今回出場された大会について、種目や結果を教えてください

 今回出場したのは、2026年9月5日(土)から7日(月)に神奈川県の日産スタジアムで開催された第95回全日本インカレ(日本学生陸上競技対校選手権大会)です。男子110mハードルに出場し、準決勝まで進みました。結果は全体9位で、決勝進出まであと一人でした。

出場が決まるまでには、どんな道のりがあったのですか。

 出場に必要な標準記録の14秒25を初めて切ったのは、昨年10月でした。ただ、その大会は風などの条件が良かったので、「自分の実力で出せた」という感覚があまりなかったんです。今年のシーズンに入ってからも、2、3試合くらい思うような結果が出ませんでした。

 「今年、もう一度標準記録の14秒25を切れなかったら、陸上に全力を注ぐのはやめようかな」と思っていたくらいです。でも、やめるにしても全力は尽くそうと思って、4月から練習を続けました。6月の「秩父宮賜杯 第79回西日本学生陸上競技対校選手権大会」では、準決勝で自己ベストの14秒07を出し、決勝では2位。そこで初めて「自分の力で標準記録を切れた」と思えて、日本インカレが楽しみになりました。


第10回九州学生陸上競技新人選手権大会(初めて全日本インカレの標準記録14.25秒を切った)

会場に立った時や、レースを終えた時はどんな心境でしたか。

 日産スタジアムは、一周するのに20分もかかるくらいの広さ。また、会場では周りに同じ大学の選手もおらず、一人で入っていったので、自分をすごく小さく感じられました。他大学の選手にはサポートの人がついている中、一人で調整しなければならないという状況は、なかなか大変な経験でした。

 ただ試合直前になると、そうした周囲の様子はあまり気にならなくなりましたね。予選を突破できたらいいな、くらいに思っていたので、準決勝まで進めたこと自体が意外でした。準決勝では、自分より自己ベストが速い選手ばかり。「ビリだけは避けたい」と思って走りました。

結果は14秒26で全体9位。決勝に進めるのは8人なので、本当に「もう少し」でした。実は決勝まで行くと思っていなくて、その日のホテルも取っていなかったんです(笑)。残りたかった気持ちはもちろんあります。でも、西日本インカレも2位、全日本インカレも決勝まであと一人。どちらも目標に少し届かなかったので、「これから、もうちょっと頑張れるな」と思いました。

「速くなるために「なぜ?」を考え、
自分の走りを言葉にする


第10回九州学生陸上競技新人選手権大会の様子

ハードル競技を始めたきっかけは?

 中学1年生の時、専門種目を決める段階で、当時の顧問に「ハードルが向いているのでは」と勧められたのがきっかけです。最初はハードルも20秒くらいで、100m走もそれほど速くありませんでした。もともと才能があったわけではないと自分では思っています。それでも中学3年の時に、全国大会で10位に入り、熊本県の中学記録も達成できました。そこから周囲の期待もあって「やめるにやめられない」まま今まで続けてきた、というのが正直なところです(笑)。

ハードル競技の面白さは、どんなところにあると感じていますか。

 ハードルは足の速さだけでは勝てません。ハードルを越える技術、いわゆるハードリングだけがあっても速くは走れません。走力と技術、知識など、いろいろな要素を組み合わせて初めて速さが決まる競技です。身長など変えられない条件はあるものの、100m走よりも「まだ抗えるものがある」というか。自分で工夫できるところが結構あるんです。それが面白いな、と感じています。

競技を行う時に特に大切にしていることは?

 自分の走りや動きを「言語化すること」です。例えば腕振りなら、ただ「こう振る」ではなくて、「そもそも、なぜ腕を振るんだろう」というところから考えます。上半身のバランスや足の接地とどう関係しているのかを考えて、「だから、こう動かす」と一つずつ整理していきます。

 それをノートにも書いています。「これは違った」「これは新しい」と記録していくと、自分の動きがだんだん整理されてくるんです。これは、中学生のころ、顧問の先生から「陸上ノート」を書くように言われて始めました。その日の練習内容や、何を意識して走ったかを書くんですが、中学生時代に書いていたことが、大学生になった今も結構生きていると思うこともあります。

 大学では、自分で考えることが増えてきて、頭の中にあるものを整理するために、またノートに書こうと思って再開しました。書いて整理することで、自分でも動きをしっかり理解できるようになります。そうすると、どんな状況でも同じ走りを再現しやすくなる。そこは自分の強みになってきたかなと思います。さらに、練習では、言葉で理解するだけではなく、ハードルドリルなどを何度も繰り返すことで、考えなくてもその動きができるところまで持っていく。言葉にすることと、体に覚えさせること。その両方を大事にしています。

「楽しいだけじゃない」。
自分に合うやり方で続けていく


補助競技場での練習風景

大学では、どのように練習していますか。

 週に5、6回くらいです。ただ、大学で練習することはほとんどなくて、家の近くの公園などで一人で練習しています。大学の仲間と練習すると、陸上より話す方が楽しくなってしまって(笑)。つい話して、練習がおろそかになる。それなら、一人で黙々とやった方が自分には合っているなと。高校のころから自分で練習することが多かったし、今も練習メニューは基本的に自分で考えています。

 実は、行きたくない、練習したくないという日もあります。そんな日は休むこともあります。でも、練習すること自体が生活の一部になっているので、続けられているんだと思います。

教育学部で学んでいることが、競技につながることもありますか。

 あります。2年生になって専門の授業が増えて、運動生理学や筋肉の構造・仕組みなどを学ぶようになりました。「これは競技に使えるな」と思うことがあります。授業で知ったことと、自分がこれまで感覚的にやってきたことがつながるのは面白いですね。競技でも「なぜこの動きをするのか」を考えているので、大学で学んだことを自分の走りに置き換えて考えることがあります。そういう分野の勉強は楽しいです。

大学でもスポーツを続けたい高校生に、伝えたいことはありますか。

 高校までは、先生が練習メニューを全部決めてくれることも多いと思います。でも大学に入って、急に「自分で決めて」と言われると、何をしたらいいのかわからなくなる人もいます。だから高校生のうちから、自分の課題は何なのか、そのために何をすればいいのかを考えることは大切だと思います。これは勉強にも似ていますよね。課題を見つけて、どう解決するかを考える。その力があれば、スポーツでも自分で成長していけると思います。

 自分も大学1年生のころは「14秒2台くらいが限界かな」と勝手に決めつけていました。でも今は14秒0台まで来て、いい意味で自分の予想が裏切られました。次は13秒台を出したいです。順位もうれしいですけど、タイムが伸びて「自分が成長した」とわかることがうれしいですね。

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