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    学生ボランティア団体「熊助組」

学生らしく、無理はせず。被災地に寄り添い続ける
学生ボランティア団体「熊助組」

熊助組代表

國方美月さん(工学部4年)

学生・課外活動
インタビュー担当

インタビュー担当の健児くんです。

自然災害が起こったとき、被災地に寄り添う大きな力となるのがボランティア。工学部公認のボランティアサークルである「熊助組」は、日ごろからボランティアとは何かを学びつつ、いざという時に、必要な場所に必要な支援を届けられるよう体制を整えています。代表の國方美月さんに話を伺いました。

平時は勉強会や防災イベント協力
非常時への準備もしっかりと

まずは、熊助組について紹介してください!

 熊助組は熊本大学工学部公認のサークルで、正式名を学生災害復旧支援団体「熊助組」といいます。設立は2007年で、来年20周年を迎えます。熊本や九州各地で災害が発生したとき、被災地で支援活動をするサークルです。土砂の撤去、片付けのお手伝い、床下の洗浄や写真洗浄などもあれば、被災地のニーズ調査や、被災された方に対する傾聴ボランティアなど、メンタル面での支援を行うこともあります。現在は80名のメンバーが在籍しています。

 普段はどんな活動をしているんですか。

 平常時は、基本的に月に1度の定例会を実施し、非常時、すぐに活動できるよう様々な準備を行っています。

 たとえば、水害ボランティア用のつなぎやヘルメットを実際に着用し、すぐに使える状態になっているか、現在のメンバーにサイズが合うかなどを確認します。そのほか、メンバーが個人で準備しておくべき備品はどんなものがあるかなどのチェック、味や触感を知っておくために非常食を実際にみんなで食べてみることもあります。

 また、ボランティア初心者のメンバーに、たとえば被災地で個人のお宅にお邪魔する時は何に気を付けるべきかといったことや、被災地で住民の方々の話を傾聴することもボランティアの大切な役割であり、被災者にとって大きな力になることなどを、後輩たちへ伝えています。

 そのほか、依頼を受けて、地域の方々に防災教育に出向くこともあります。毎年お受けしているのが、熊本県の防災センターで毎年夏休みに行われる小学生向けの防災イベント。防災活動を行っている特定非営利活動法人「ソナエトコ」からの依頼で、子どもたちに、工作やカードゲームで防災や減災を学んでもらいます。工作の一例が、ペットボトルランタン。ペットボトルにイラストやデコレーションを施して水を入れライトで照らすと、何もしないペットボトルを照らすより少し明るく楽しくなるんです。少しでも避難所での時間が楽しくなるようにという工夫です。

実際に災害が起こったら、どのような活動をするんですか。

 2025年8月、熊本市や八代市などで大きな被害が出た豪雨では、発災の翌日に「火の国ボランティア会議」が開かれました。これは、各地の被災状況から、どこでどんなボランティアが必要かを話し合う場で、まずはその会議にオンラインで参加しました。その後、熊助組の顧問である竹内裕希子教授と、熊本市のボランティアセンター開設担当者と密に連絡を取り合い調整。そのうえで、熊助組のメンバーを被災地に派遣しました。ボランティアセンターの方のニーズ調査に同行し、何が必要か、何ができるかを把握しながら少しずつ現場に入る、という形を取りました。

 この時は、被災地でのニーズが日々変化する中、メンバーのほとんどが夏休みで実家に帰省していたこともあり、調整に苦労しました。帰省先から熊本に戻って被災地へ行くと言ってくれたメンバーにも、必要な準備やボランティア保険への加入など、大切なことを会って伝えられないためSNSなどを駆使。メンバー派遣の体制が整うまでの数日間が大変でした。

ボランティアは強制ではない
「無理しない」ことを大事に

熊助組が大切にしていることはなんですか。

 熊助組のメンバーだからといって、ボランティア活動は強制ではないということ。もちろん、メンバーはボランティアへの関心が高い学生ばかりですが、それでも、頑張りすぎないように伝えています。顧問の竹内教授には、ボランティアに慣れている方は、被災地に支援のために行くとしても、その地の食べ物も楽しんだりしてしっかり休むことも大事にしているという話もしてもらうんです。

 定例会も勉強会も、地域の防災教室やイベントも、強制はなし。行ける人が行きます。だから、8月の豪雨災害の時も、「難しいなら来なくていいよ」なんて、あえて言う必要はありませんでした。メンバーはみんな、それがわかっているからです。普段の活動も被災地での活動も、無理をしないことを一番大事にしています。

現在、クラウドファンディングを実施されていますね!

 熊助組20年の歴史の中で初の試みで、5月11日までの期間で行っています。寄付金はまず、メンバーが被災地に行く際の交通費や、活動するための備品補充資金とさせていただきます。また、毎年全国各地で開催されている「ぼうさいこくたい」への遠征費にも使わせていただく予定。この「ぼうさいこくたい」では、全国の大学のボランティア団体や企業ともつながることができ、意見交換などができる貴重な機会なんです。また、メンバーの中で防災士の資格を取得する人もいるので、その費用にも使わせてもらえたらと考えています。

 これは竹内教授もおっしゃっていることなんですが、私たちはボランティアとは何かを日々学びながら、いざという時に活動できる準備を整えています。先ほども話したように、ボランティアは強制されてはいけないし、無理をしてやることでもない。それを理解したうえで、自分を犠牲にせずに、適切な場所で適切なお手伝いをするのが熊助組です。このサークルが今後も継続していけるよう、多くの皆さまの支援をお願いしたいと思っています。

やりたいことに挑戦できる
環境が整っているのが熊助組

最後に、メンバーや新入生へメッセージを!

 熊助組での活動は、社会人になってからも必ず生きることばかりです。またその活動内容から、必然的に行政や地域、企業など、大学外の方々と関わる機会も多い。これらは、私たち学生にとっては貴重な経験です。

 もちろん難しいことばかりではなく、たとえば被災地を見学するツアーなども実施し、勉強しつつ、楽しむことも含めたイベントも行っています。工学部公認であるため、熊本地震の復興に大きく貢献された、防災に関する知識が豊富な先生方がそばで見守ってくださり、多方面から活動を支援してもらえる環境が整っている恵まれたサークルだと思っています。OB・OGも、今でも熊助組に関心を寄せていろんな形で支えてくださっているんですよ。ボランティアに少しでも興味があれば、やりたいことに挑戦できる熊助組に、ぜひ入会してください。

 私はあと少しで代表の任期が終わります。次の幹部となる後輩たちも頑張ってくれていて、頼もしいなと感じています。熊助組は被災地支援ボランティア団体ではありますが、後輩たちには、あくまでもサークルであることを忘れずに、これからも楽しんで活動してほしいと思っています。

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