楽しみながら世界に貢献!
「SDGs的作品鑑賞」で楽しむアートな熊大

大学院教育学研究科

松永 拓己 教授

研究
インタビュー担当

インタビュー担当の健児くんです。
2015年に国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)。熊本大学でも目標達成に向けて「熊本大学SDGs宣言」を行い、大学全体で取組や研究を行っています。今回は、そんな取組の1つとしても意義ある「熊大まちなかキャンパス」を取材。SDGsをテーマにアート作品を展示された、松永拓己教授にお話を伺いました!

3つのテーマをミックスした
「熊大まちなかキャンパス」でのアート展

熊本大学と、県内の蔦屋書店を運営するニューコ・ワン(株)が共同で企画している「熊大まちなかキャンパス」。今回は「熊本大学 松永拓己と芽吹く学生達の作品展」と題した展示ですが、どのような内容でしょうか。

今回の展示では、いくつかのテーマをミックスしています。1つは私の作品。全国二紀展に出品したF200号の大作「かたとき花と踊る藤」を展示しています。2つ目は学生の作品。全国の展覧会に出品し受賞した学生の作品と、SDGsをテーマにした作品を展示しました。3つ目がSDGsアートウォール。SDGs17ゴール目標達成のために、自分に何ができるかを書いてもらい、段ボールを使った短冊にして展示することでミッションを共有していこう、というものです。すでに熊本大学の学長や熊本県知事、熊本市長、肥後銀行の頭取なども参加いただいています。みんながどんなミッションを掲げているのか見るだけでなく、自分も書いて参加できるアート作品となっています。


松永拓己 <かたとき花と踊る 藤>(第77回二紀展出品作)

(左から)「天才とは」梅木久美日さん、「<sumika>」脇野風花さん、
「<You>」今村めぐみさん(OG)。いずれも第77回二紀展入選作

SDGsアートウォールに参加することで、SDGsを考え、行動するきっかけにもなりますね。

熊大ではSDGs研究を奨励していますし、熊本県はSDGsの先進的な取組も多い県です。太陽光発電の技術開発など大きな取組もありますが、一人ひとりがどんなことに取り組むかということも大切だと思います。そんな自分のミッションを言葉で表現し、アートウォールとして共有することで、みんなで世界の大いなる目標の一部に自分が絡んでいるという達成感も感じてほしいですね。SDGs的意識への改革が大切なゴールなのかもしれません。


参加できるアート作品「SDGsアートウォール」

5月17日(土)には「アート思考的生き方」をテーマにした松永先生のトークイベント、
くまだいの木を使ってオリジナルコースターを作るワークショップも開催

大学の歴史と共に育った廃木材を活用し
SDGsなアートグッズを制作

今回の展示では、「くまだいの木」と題したグッズも販売されていますね。

熊本大学にはサクラ、ケヤキ、クスなどたくさんの木があります。私は熊本大学のキャンパス整備にも携わっているんですが、倒木や剪定整枝などで生じる廃木材を有効活用できないかとずっと思っていたんです。そこで、廃木材を活用したアート作品をグッズにした「くまだいの木」シリーズを商品化しました。

伐採された木を半年から2年寝かせ、カットしたものにレーザー加工で絵を焼き付けたものです。イラストは、キャンパス内の歴史的建造物である五高記念館や赤門、熊本大学にゆかりのある夏目漱石や小泉八雲など。現在は、コースター、マグネット、キーホルダー、ペン立てを作っており、絵の種類は増やしていく予定です。絵柄だけでなく、使われている木の色や年輪など好みのものを見つけるのも楽しいですよ。

廃木材を活用するということでSDGsを意識した取組でもありますが、熊本大学の歴史と共に育った木なので記念にもなります。今後、熊本大学に来た皆さんに記念として気軽に持ち帰ってもらえるものにしたいと考えています。


「くまだいの木」シリーズ。
コースター、マグネット、キーホルダーは300円~400円、ペン立ては700円で販売

どこで購入できるんですか?

現在は熊本大学内の生協売店、熊本空港に隣接する「くまもとSDGsみらいパーク」で販売しています。ぜひ、お手元で愛用していただきたいですね。

作品を見て背景にある目標を感じる
「SDGs的作品鑑賞」の楽しみ

学生が描いたSDGsをテーマにした絵は、いろいろな見方ができて面白いですね。

作品を見て、どの目標をテーマにしているのか、どんな物語があるのか、考えて世界を広げるのはとても面白いと思います。例えば、海を描いた作品。14の「海の豊かさ」について考える人もいるでしょうし、7の「エネルギーの目標」を思い浮かべる人がいるかもしれません。SDGsには17も目標があるので、見る人によってどれに当てはめて考えるか、違って当然なんです。絵を見て、自分なりに想像してストーリーを広げて楽しんでみることが重要。もしかしたら3つ、4つとストーリーが出てくるかもしれません。それこそ「SDGs的作品鑑賞」とでもいう絵の楽しみ方なのではないかと思います。

たくさんの方に見に来ていただきたいです!

展示は5月25日(日)まで開催しています。

作品を見ていただくのはもちろん、ぜひSDGsアートウォールに参加していただきたいですね。SDGsの目標の17は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。アートウォールにみなさんのミッションを書いていただくことで、世界の幸せに貢献できます。それを楽しみながらやっていただきたいです。自分の小さな行動が世界を良くすることにつながると思うと、ワクワクしませんか?そんな気持ちを持って世界に関われるのが、今回のアート作品だと思っています。

この作品は、今後、熊本空港に隣接する「くまもとSDGsミライパーク」や大学キャンパスにも展示予定です。そこでも多くの方に参加してもらえるようにできたらいいですね。

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