『えこあくと』で辿る ―エコ・キャンパス実現への道のり―

熊本大学施設部施設企画課

岡伸薫さん

特集

この記事は学生広報スタッフが担当しました!

インタビュー担当

皆さんこんにちは!学生広報スタッフの内山咲都と申します!
今回は、在学生の皆さんにもっと熊大の環境活動について知ってもらうため、熊本大学施設部施設企画課の岡伸薫さんにお話を伺いました!

ある日、熊本大学の校内を歩いていると不思議なステッカーを発見。

「学校内のいろんなところで見かけるこのステッカー、『エコキャンパスの創造』って書いてあるけど、どういうことだろう?もしかして、熊本大学では大学全体で環境保護のための取組が行われているのかな?」
学内の環境活動について興味を持った私は、インターネットを利用して、検索ワード「熊本大学 環境」と調べてみました。
すると、熊本大学の環境報告書『えこあくと(eco-act)』なるものを発見。

Webページを見てみると、どうやら『えこあくと(eco-act)』では、熊本大学の環境に関する取組について、たくさんの情報が紹介されているようです。これを読めば、熊本大学の環境活動について、もっと知ることができそう!
「でも、環境報告書っていったい何なんだろう?毎年作られているみたいだけど、何故なのかな?」様々な疑問が湧いてきた私は、この『えこあくと(eco-act)』について詳しく知るために、『えこあくと(eco-act)』の作成に携わっている方にお話を伺うことにしました!

今回取材に応じてくださったのは、熊本大学施設部施設企画課で環境・エネルギーマネジメント部門を担当されている岡伸薫さんです。

『えこあくと(eco-act)』は、どのようなものなのでしょうか?

岡さん「『えこあくと(eco-act)』は、熊本大学が取り組んでいる「エコ・キャンパス」の実現と持続的な環境改善を推進するための様々な活動等を環境報告書として記載し、2006年度から公表しているものです。環境配慮促進法に基づき、特定事業者である熊本大学は、事業活動に係る環境配慮等の状況を環境報告書に記載し、公表することが義務づけられています。」

環境報告書、私にとってはあまり聞き馴染みのないものでした。少し堅い感じがするけど…「えこあくと」って聞くとそうでもないかも…?

岡さん「『えこあくと(eco-act)』は、﨑元達郎元学長が親しみやすい、読みやすい書名として命名されました。」

確かに、書名だけではなく、表紙もカラフルでポップな感じがして親しみやすい印象を受けますね!

では、「えこあくと」の中身はどうなっているんだろう…?
『えこあくと(eco-act)2023』を実際に読んでみました!

まず、取り上げられていたのは「地球温暖化のお話」。地球温暖化について、キャラクターたちによるQ&A方式で詳しく説明されています。この『えこあくと(eco-act)』の巻頭部分は、2022年度から新たに追加された部分で、毎年テーマを変えたり、その年に話題になった環境に関する話題を取り上げたりしているそうです。
その後に続く熊本大学の先生方の研究紹介では、その年のテーマに関連のある研究の紹介がインタビュー形式でまとめられています。

岡さん「近年特に力を入れているのは、研究紹介のページです。難しくなりすぎないように、研究の魅力のほか、研究者ご自身の魅力も表現できればと思っています。」

環境といえば理系の研究を思い浮かべますが、経済学などの文系の研究が取り上げられているのは面白いですね!

さらに読み進めていくと、学内の環境にまつわるデータが沢山載っていました。環境省が定めている環境報告書のガイドラインに沿って、気候変動・水資源・資源循環・化学物質・汚染予防のそれぞれの観点でデータによる現状の分析や学内で行われている環境配慮活動等が紹介されています。地区ごとのエネルギー使用量やごみの種類ごとに分類されたごみの量、グリーン購入量(環境に配慮した製品の購入量)の内訳など、あまりのデータの細かさにびっくり…!
環境配慮活動等の例には、学内で見つけたあのステッカーも紹介されていました!

その中でも特に印象に残ったのは、熊本大学の井戸水についての紹介でした。なんと、熊本大学で使用されている水のほぼすべては、井戸水で賄われているのだそうです。熊本の豊富な地下水を汲み上げ、学校内でろ過した後に各建物等に配水しているのだそうです。

また、教育に関するページでは、大学の環境に関係のある講義の一覧を見ることができます。授業テーマやキーワードが細かく講義ごとに記載されているので、どのような講義なのかが想像しやすく、環境に興味のある学生にはとてもためになりそうなページになっています!

『えこあくと(eco-act)』を読んでみて、環境に関する内容の充実度はもちろん、途中で学校内の歴史的建造物の紹介があったり、写真やイラストが多く使用されていたりなど、とても読みやすく読者を飽きさせない工夫を感じました。

このような工夫はなぜ行っているのですか?

岡さん「一見すると、難しそうで取っ付きにくい『環境報告書』ですが、多くの方に読んでいただき、熊本大学の環境配慮活動等を知っていただくとともに、熊本大学に親しみを持ってもらえればと思いながら、工夫を凝らしています。」

熊本大学の環境報告書は、他の事業者等のものと比べて読みやすいところが特徴的で、その読みやすさが評価されて「環境コミュニケーション大賞」という賞を何度も受賞したことがあるそうです。

今後の展望をお聞かせください。

岡さん「今後も『環境』をキーワードにして、熊本大学の取り組みや魅力を『親しみやすくて読みやすく』、『見やすくてわかりやすい』をモットーに、さらに多くの方に読んでいただけるように、内容を充実できればと思っています。」

熊本大学に関わるすべての人に向けた環境報告書『えこあくと(eco-act)』が学内外で広く読まれるようになってほしいですね!

熊本大学環境報告書『えこあくと(eco-act)』は、2006年度からのバックナンバーから2023年度版の最新刊までのすべてが、熊本大学公式ホームページからダウンロードすることができます。
https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/jouhoukoukai/eco_act

興味のある方は、ぜひ読んでみてください!