インタビュー担当の健児くんです。よろしくお願いします。
2024年1月27日(土)、本学大学院先端科学研究部 竹内裕希子教授を講師に、熊本市立託麻南小学校の体育館で、防災イベント「防災について知ろう」が開催されました。
今回は、イベントの様子をご紹介するとともに、防災イベントに参加した竹内研究室:地域防災研究室に所属する大学院自然科学教育部博士前期課程1年の喜志永さん、工学部4年の中町さん、髙木さんをはじめ、参加した小学生、地域の方々にもお話しを伺いました。
まず、イベントの様子を簡単にご紹介します。
当日は、とても寒くて、寒くて、、、小学校の体育館ですので、まず、暖房がありません。
座って講演を聴くことは耐えられないだろうと判断の下、「災害を知る」ということで、挨拶が終わり次第、製作活動を始めました。
製作したものは「ゆらゆら」と「エッキー」です。
喜志永さん:地震の振動周期によって揺れる建物の高さが異なることを説明するおもちゃです。早く揺らすと低い熊が大きく揺れ、ゆっくり揺らすと高い熊が最も大きく揺れます。
なんと材料は紙とセロハンとシールのみ!ホッチキスで3箇所止めるだけです。少ない材料で簡単に揺れの違いがわかるとは。びっくりですね。
喜志永さん:液状化の仕組みが簡単にわかるおもちゃです。熊本地震でも液状化被害が発生しましたし、能登半島地震でも多くの場所で液状化被害が発生しました。
こちらも、ペットボトルと砂と水、画鋲だけで簡単に作れます。ただ、水を入れる際に空気を入れないように気をつける必要があるとのことです。
子ども達も
「こんなに揺れているよー。」
「ペットボトルにドンっとしたら、画鋲が出てきた~。」
「エッキー、きらきらボトルみたいでおもしろい。」
「でも、なんでこうなるの?」
と、起こっている現象を不思議に思う子ども達もいました。
子ども達だけでなく、大人も製作活動を行っていただきました。
今回は、イベント参加するにあたって、「もし、災害が発生して、自分の家に居ることが出来ない場合、避難所に移動する際に持参するものを考えて、持参してきてください」と案内をしていたところ、スリッパ、ホッカイロ、中にはブランケットを持ってきた方もいらっしゃいました。
竹内先生も、防災グッズを備えているとのことで、先生ご自身がバッグを2つに分けている点をはじめ、お子さんが持参する防災リュックについても紹介いただきました。
会場にも、防災リュックを持ってきている子どもがいましたので、中身を紹介してもらいました。
竹内先生:「お菓子とかたくさん出てくるかなと思っていたけど、お菓子は入ってないですね。」
「市販の防災ボトル、こういうのもいいですね。笛やフック、アルミのシート、アルミのシートは保温効果もありますよ」
自治会長さんから、
自治会長:「社会人になったばかりの頃、作業の関係で現場に行くこともあったので、その際は、透明のビニール袋、笛、これは必ず持っていっていました」とコメントいただきました。
自分の身は自分で守る、まさに、何か発生した際の備えというものは身近なもので準備できます。
地域の方々からも、
「防災グッズ、全然準備していなかったので、帰って早々、バックに大量の防災グッズを入れました!」
「防災リュックの話も聞けて勉強になりました。我が家は見直しが必要そうです。」
「早めの防災グッズの見直しを行います。」
「熊本地震から8年も経つので、もう熊本は来ないだろうって思っていました。けれども、いつ発生するかわからないので、あらためて、防災グッズを準備しなきゃと思いました」
など、多くのコメントをいただきました。
今年度の小学1年生は熊本地震が発生した年に産まれた子ども達です。ですので、多くは熊本地震を経験していません。
そんな中、一人の小学1年生が、お母さんが仕事で参加できなかったので、家に帰ってから、色々とお母さんにイベントで学んだことを教えたそうです。
最後に小学生代表から御礼の言葉をいただきましたが、その内容で、
「おじいちゃん、おばあちゃんが住んでいる地域は南海トラフ地震が発生すると被害が出るかもしれない地域なので、今日学んだことを教えてあげようと思いました」という言葉がとても印象的でした。
竹内先生:体育館がとても寒かったですね。「ここに避難するなら何が必要か」と具体的に準備物を考えるきっかけにもなったと思います。備えることを「恥ずかしい」と思わず、「大げさだ」とか「なんとかなる」という他人の評価に惑わされずに楽しく取り組んでもらえたらと思います。
喜志永さん:このような地震被害の仕組みを再現したおもちゃ工作が、子ども達が防災について考える第一歩になってほしいです。